2004年に無人探査機「Spirit」が撮影した火星の写真が、今年に入って話題になりました。NASA(アメリカ国立航空宇宙局National Aeronautics and Space Administration)の公式ホームページに掲載された写真ですが、イギリスの新聞がそこに人物(?)を発見しました。
コペンハーゲンにある人魚の像に似ていることから「火星の人魚(Mermaid on Mars)」と呼ばれていますが、NASAでは高さ6センチの岩と結論付け、この話題は収束しました。初めて見た時はビッグフット(Bigfoot)かと思い、とても興奮しました。
さて、2003年6月に月の土地2エーカーを購入していましたが、どうも月よりも火星の方が移住先としては有力なようなので、昨年12月の誕生日に自分へのお祝いにと火星の土地1エーカーを購入しました(笑)。
「火星テラフォーミング(Terra forming:惑星地球化計画)」と呼ばれる計画があります。火星の大気は薄いために気温が低く、人が住める状態ではありません(表面有効温度:地球;22℃、火星;‐27℃)。そこで、まず気温を上昇させる方法が考えられています。その方法として、
1) 温室効果ガス(二酸化炭素やメタンガス)を火星大気中に送り込む。
2) 光吸収の良い黒い微生物や藻類を地表に繁殖させる。
3) 巨大な鏡を建設し、太陽光線を火星に集める。
が考えられています。
火星の南極・北極(極冠)には、ドライアイス(凍った二酸化炭素の塊)と氷があるそうです。これらが融けるような気温まで上昇させれば、二酸化炭素と海(湖)ができます。地球が誕生した時と同じ環境になるわけです。地球では、海に誕生したマイクロアルジェ(藍藻)の光合成により有機物と酸素が生産され、現在のような生命溢れる美しい惑星となりました。しかし、地球に酸素の大気ができるまで10数億年かかりました。そこで、火星にはマイクロアルジェを持ち込み、地球の歴史よりも早く酸素大気の惑星にすることが計画されています。それでも1000年かかるそうで、ということは私の1エーカーの土地は・・・。
2006年4月に国際宇宙ステーションに搭載した4種のマイクロアルジェのうち、陸生藻のイシクラゲ(Nostoc commune)を火星での農業用土壌剤として研究を進めています。火星は岩なので、植物が根を張ることができません。イシクラゲに窒素・リン・カリを保持させ、土の代わりをさせようと考えています。まだまだ時間はかかりますが、宇宙農業を夢見て研究を進めてゆきます。
一方、緑藻のデュナリエラ・ターティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)については、抗酸化作用とデトックス作用による美肌活性を有するグルタチオンの生産が多くなることがわかりました。この特徴を活かした商品開発を進めており、4月にはこのターティオレクタを応用した新商品を発表できる段階にまできました。宇宙への移住はまだまだ先のことなので、まずは宇宙帰りのマイクロアルジェ(デュナリエラ・ターティオレクタ)を堪能していただければと思っています。