経営コンサルタント・渡辺雅文先生の著書「志の高さが未来を切り拓く」(WMC文庫)を読みました。「志に生きる」ことの大切さを訴えており、自らも実践しておられます。本書で、ご自身が「志に生きる」きっかけになった、岡田徹(おかだあきら)氏の「本ものの生き方」という詩が紹介されていました。
この詩を読んで岡田氏に興味を持ち、「岡田徹詩集」(商業界)を購読しました。岡田氏は経営思想家で、倉本長治氏が主宰する商業界ゼミナール(戦後の混乱の中で、今までの金儲け主義の商人のあり方から転換して、お客のための商売に生きよと主張)で講師を務めました。岡田氏没後、彼が書いた文章や講演記録から、倉本氏が30篇を選びそれに題をつけたのがこの岡田徹詩集です。
人の心の美しさを満たそうよ
小さな店であることを
恥じることはないよ
その
小さなあなたの店に
人の心の美しさを
一杯に満たそうよ
商売はみ仏の道
お客は
買物を通じ
あなたの
人間としての美しさを
常にもとめる
商売は
み仏の道 尊い哉
商人の姿に
商売とは
人の心の美しさを
だしつくす業
あなたの
商人の姿に
前だれをかけた
み仏をみたい
ご紹介した3篇の詩は、いずれにも「心の美しさ」という言葉が入っています。他の詩には「誠実」や「良識」といった言葉も多く見られます。
本詩集は、商売(商人)としての心構えを謳ったものですが、その前に、まず人間性(あるいは人間力)を磨き向上させることが大事であることを強調しているものと自分なりに理解しました。
本詩集を読みながら、「心美しく」「誠実に」「良識をもって」日々を送ることを、あらためて強く決意しました。
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