覚えておられる方も多いと思いますが、9月29日にこんなニュースがありました。
茨城県つくば市の小中学校などに設置された風力発電機がほとんど発電しなかったとして、つくば市が、発電量の計算などの業務を請け負った早稲田大学などに損害賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「期待した発電量が得られないと大学側は認識できたのに明確に説明しなかった」などとして、早稲田大学に対して2億円余りの賠償を命じました。(産経新聞より)
平成17年につくば市が、環境学習の一環などとして小中学校のグラウンドなどに小型風力発電機を設置したもので、当時大きな話題となってマスメディアで広く取り上げられました。
風力発電は、5000年の歴史を持つオランダの風車を1891年にデンマークの科学者が改良したのが始まりです。環境に優しいエネルギーとして、欧米諸国では急速に利用が広がっています。
日本でもクリーンエネルギーとして注目され、全国で設置が検討されています。しかし、欧米諸国のように沙漠地帯に風力発電機を設置することができないため、山の森を伐採することや貴重な遺跡を犠牲にするという計画が出てきており、これに対して反対の声がたくさん上がっています。さらには、騒音や生物に対する問題も抱えています。鳥が風車に当たって死ぬ事故がアメリカで多発していますが、日本では渡り鳥の飛来コースへの障害が懸念されています。また、風力発電機は、風が弱すぎては発電出来ず、逆に設計基準を超える強風の場合には回転を止めないと機械が壊れます。台風などの突風や落雷に対する対策や費用対効果なども今後の課題です。
このように、解決すべき課題が山積しているため、風力発電に否定的な書籍もたくさん出ていますが(例えば、「地球環境・読本(宝島社)」や「エコロジー神話の功罪(ほたる出版)」)、近い将来にはすべて解決され、風力発電によるクリーンなエネルギーの恩恵を享受できるものと期待しています。
風力発電の他にも、太陽光発電やバイオエネルギーが代替エネルギーとして期待されています。これらも今後の開発が待たれるところです。
バイオエネルギーに関しては、弊社・MAC総合研究所でもマイクロアルジェを利用した生産の可能性を検索しています。日経ビジネス9月8日号に、「藻類で石油を“生産”する」と題して、国内での取り組みが始まったことが紹介されていました。マイクロアルジェ応用企業としての15年間のノウハウを活かし、マイクロアルジェによるバイオエネルギー生産の実現を目指してゆきたいと意を新たにしています。
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