前号で、日本薬学会第129年会で私たちの研究発表「鳥インフルエンザウイルスの経口接種時の腸管免疫機能に及ぼす髪菜熱水エキスの効果」が講演ハイライトの候補になっていることを書きました。
結果はどうでしたか? とのお問い合わせをたくさんいただきました。
ありがとうございました。見事講演ハイライトに選出されました(4016の研究発表の中から74発表が講演ハイライトとして選出されました)。自信と誇りをもって、27日に無事発表を終えました(本稿は10日に書いていますので、正確には「終えたはずです」と書くべきところですが…)。
講演ハイライトは、「学術的に優れ、なおかつ一般市民にも興味を惹くようなテーマを取り扱っている」発表を選考委員会が選出するというものです。ご指導いただいている富山大学大学院・林利光教授の一連の研究は、このハイライト選考基準に合致した最先端の研究であるわけです。今年度も林教授のご指導の下、念珠藻(髪菜)の研究を進め、社会に貢献できるように努力してまいります。
さらに、念珠藻(髪菜)についてもう一つ嬉しいニュースがあります。日本応用藻類学会の学会誌「Algal Resources」に「食用藍藻:髪菜Nostoc flagelliforme、イシクラゲNostoc commune、およびスイゼンジノリAphanothece sacrumのマウスにおける細菌感染防御作用の検討」という研究論文(短報)が掲載されました(ファーストオーサー[この論文の一番目の著者]はMAC総合研究所の山口主任研究員です)。この研究は、九州共立大学大学院・富田純史教授のご指導の下で行ったもので、髪菜の熱水エキスが病原菌(リステリア菌)に対する感染抵抗性を高めたという内容です。髪菜の有用性がここでも明らかになりました。
ところで、15年前に弊社「10の夢」を掲げました。その夢の一つに、マイクロアルジェの大学(専門学校)を創設したいというものがありました。マイクロアルジェを広く社会に役立たせるためには、マイクロアルジェの分類から培養、生理作用解明と幅広く総括的に研究することが重要です。このような研究者を育てるための学校が必要と考えました。もちろん、学校を創設することがどれほど難しいかは分かっています。だからこそ、大きな夢の一つとしました。そして、その夢実現の第一歩として大学の職に就きました。このときに大変お世話になったのが富田教授でした。富田教授には20年以上に亘り懇意にしていただいており、在職中は学生指導についてもご指導をいただきました。卒業生の中には、マイクロアルジェに興味を持ちクロレラ生産の国内トップメーカーに就職した者もいます。
弊社顧問の向畑恭男先生(名古屋大学名教授)をはじめ、林教授や富田教授など多くの先生方のご指導をいただきながら、10の夢実現に向けてしっかりと歩を進め、企業理念である「マイクロアルジェによる人と社会と地球の健康づくり」の実現を目指したいと、新年度に当たり改めて強く決意いたしました。
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