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「330000」
  2009年5月 会えて、よかった
 

黒田清さんの「会えて、よかった」(三五館)という本の「はじめに」に、「書きながら、深い感動に包まれて、涙が溢れてくる時もあった。書き手がそうなのだから、おそらく、読まれるあなたも、どこかで耐えきれなくなり涙で頬を濡らされるに違いない。」と書いてありました。これはまた仰々しく書き出した本だなと、ちょっと醒めた思いで読み始めました。が、著者の指摘のとおり涙が溢れ、1993年初版から本書が今もなお多くの人に愛読されている理由がここにありました。

本書は、著者が長い記者時代に知り合った25人のさわやかであったり、あるいは悲しみに満ちていたりと、さまざまなエピソードが紹介されています。特に心に残ったエピソード2つをご紹介します。

「泳げ!人生の波をけって」では、小さいときのマヒの後遺症で体が不自由な京子さんが水泳大会で必死に泳ぐ姿とその姿を見て服のままプールに飛び込み京子さんを支える校長先生。そして、その光景を見守るお母さんの想いが紹介されています。

「孝憲君と十五人の仲間たち」では、知能発育遅滞の孝憲君が村の小学校で15人の同級生にいじめられることなく、やさしさに囲まれて成長する姿。そして、卒業式の朝、「ボクたちと一緒に(養護学校ではなく同じ中学校に)行こうよ。大丈夫だよ。」と言ってくれた同級生たち。お母さんの目に映った、孝憲君の頑張りと同級生たちのやさしさが紹介されています。

感動したり、喝采したり、はたまた心が痛くなったりの25人の話でした。

本書の「おわりに」では、「人生には、いくつもの波がある。幸せに近づいたと思うと、また遠のき、端っこに追いやられても、そこから真ん中に這い出ることもできる。そのたびに私たちは喜怒哀楽の感情に漂い、つぎの人生を歩み続けなければならない。(略)必死になって生きている人生は、それを知る人に必ず影響を与える力を持っている。だから、多くの人の人生を知ることはいかに生きるかを学ぶことである。」とまとめています。

本書タイトルのとおり、25人の人生に「会えて、よかった」と思えました。感動し、涙した読後、自分を見つめなおす時間を作りました。(普段、人に本を推薦することはほとんどありませんが、本書はご一読をお薦めいたします。)

本書に限らず、色々な本や人との出会いが、考え方や価値観を変えることは往々にしてあるのではないでしょうか。そして、このことが人を成長させるのだと思います。

哲学者・森信三先生の言葉に、「人生に偶然はない。出会いは全て必然である。その出会いは一秒も早くはなく、一秒も遅くはない。まさに、今だというときに人生の出会いがある。」があります。

20094月に「会えて、よかった」を読んだのは、私にとって必然であったのだろうと思います。あなたも、今日いくつかの出会いがあったと思います。どうぞその出会いを大切にしてください。

クョスコニョ    [1] 
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