新聞の書籍広告で「娘がつまらない男を連れてこないために」という目次が目に留まり、安田佳夫氏の「検索は、するな。」(サンマーク出版)を読みました。
安田氏はコンサルティング会社「潟純Cキューブ」の代表です。当然ですが、本書はビジネス書でした。
おとぎ話の「三匹のこぶた」の中で最も賢いのは誰だろう、という問題提起の項目がありました(72ペーシ)。
母ぶたに自立を促され、こぶたの三兄弟が狼から身を守るために自分の家を建てました。長男は、造りはヤワですがスピード重視のわらの家。次男は、手間も丈夫さも中ぐらいの木の家。三男は、時間はかかるが丈夫さを重視したレンガの家。狼はまずわらの家を簡単に吹き飛ばし、次の木の家も多少手間取ったものの叩き壊しました。二匹のこぶたは命からがらレンガの家に逃げ込んで三匹とも助かったというお話です。
著者は、
一般的に言えば、「長男・次男・三男」の順に「バカ・バカ・賢い」という図式だろう。(略)でも、本当にそうなのだろうか。三匹とも賢かったという可能性もあるのではないだろうか。
と書いています。最も丈夫なのはレンガの家ですが、建てるのに時間がかかるため、途中で狼に襲われたらひとたまりもありません。そこで、三兄弟が相談してそれぞれの家を建て、わらの家と木の家で時間稼ぎをしてレンガの家を完成させることができたから、三匹とも賢かったと考えられるとしています。
さらには、
レンガの家が完成する前に三男、それから次男、長男の順で襲えば全員食べられたのだから、こぶたが賢いのではなく狼がバカだった、という人もいるだろう。
とも書いています。
色々な考え方があるものです。
たったひとつの正解など、最初から存在していない。個性のない答えで満足しているようでは、考えているとは言えない。
と著者は締めています。
なるほど。確かに、世の中あるいは人生の中で、算数や理科のような答えが一つの問題ばかりではありません。自分で考えることが大切です。
私は、最初から三匹が協力してレンガの家を親のそばに建てれば、安心して立派な家を建てることができたのにと考えました。したがって誰が賢い?という答にはなりませんが、この問題を通して得られる自分自身への答えとして、仲良く互いに協力してゆく「共生」が大事なのだということを改めて強く認識しました。あなたはどのように考えましたか?
ところで、蛇足ですが、「娘がつまらない男を…」については、「親ができるのはただ一つ。娘が小さいときから、どんな男の人が素敵な人か一緒に考え、娘の好き嫌いの基準を正しいものにしていくことだ。」とありました。愚娘は友人たちから「B専(Bランク専門)」と言われるくらいなので、すでに時遅しかも知れません…。
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