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  2010年2月 インフルエンザ21世紀
 

瀬名秀明さん著の「インフルエンザ21世紀」(文春新書)を読みました。瀬名さんは薬学博士で、代表作に「パラサイト・イヴ」(第2回日本ホラー小説大賞受賞作品)があります。

ウイルス学者、医療関係者、数理統計学者、ジャーナリストなど30名を超えるスペシャリストを取材した500ペーシに亘る本書の前書きには、

本書は日本におけるインフルエンザの研究・対策を描いている。しかし私たちがいま住んでいる日本は他の国ともつながっている。私たちは誰もが身近な別の誰かとつながっている。ウイルスは目に見えない。だが私たちのつながりによって感染し、広がってゆく。ウイルスについて考えるということは、地球環境を含む私たちの社会そのものを考えるということに等しいのである。

と書かれていました。

11月に出版された、東北大学大学院の押谷仁教授と瀬名さんの共著「パンデミックとたたかう」(岩波新書)も同様の趣旨であったと思います。

本書によりインフルエンザについて正しく理解できたことはもちろんです。しかし、それだけであれば専門書があります。本書では、インフルエンザ・パンデミックの世界状況を知ることにより、自分のことだけを考えるのではなく周りのことを考える機会を与えてくれるものとなりました。座右の銘「忘己利他」につながるものです。

ところで、本書第5章「想像力と勇気」ではワクチンについて以下のように書かれています(454ペーシ)。

ふつう、私たちは鼻や喉からインフルエンザウイルスを吸い込むので、気道の粘膜細胞で一次感染し、発症する。本来ならこの部位で粘膜局所免疫を活性化しておけば、より効果的に感染を阻止できるはずだが、私たちがふだん皮下接種しているワクチンではそれができていないことになる。(略)局所免疫で出てくるIgA抗体は、広い抗原域に反応する。

現行のワクチンは血液中の中和抗体を作るもので、感染予防効果はなく、発症や重症化の軽減効果しかありません。したがって感染の予防には、上記のように一次感染部位である粘膜細胞での局所免疫を活性化する必要があります。

このことは、念珠藻(髪菜)由来の抗ウイルス作用の研究を進めていただいている富山大学大学院の林利光教授からいつも教えていただいていたことです。そして、念珠藻由来の抗ウイルス活性多糖「ノストフラン」がこの分泌型IgA抗体の産生を亢進することが明らかとなっています。

本書を読み、念珠藻が有用で、多くの方々のお役に立てることを強く確信しました。

クョスコニョ    [1] 
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