私の机には二宮金次郎(尊徳)翁の像(高さ15.5センチ)が鎮座しています。小学校や中学校に必ず建っていた二宮翁像は勤勉(勤労)のシンボルでした。二宮翁の金言の一つ「勤労」は「徳に報いるために働くこと」を人々に勧めた言葉です。怠けがちな自分に喝を入れるために購入し、毎朝この像に向かって一日の決意をして仕事に取り掛かっています。
さて、二宮翁の別の金言に「積小為大」(小さな努力の積み重ねが、大きな収穫や発展に結び付くのである。小事を疎かにしては、大事を為すことはできない。)があります。二宮翁は「積小為大」を次の通り説いています(岩波書店刊「日本思想大系52 二宮尊徳・大原幽學」より)。
翁曰、大事をなさんと欲せば、小さなる事を、怠らず勤むべし、小積りて大となればなり、凡小人の常、大なる事を欲して、小さなる事を怠り、出来難き事を憂ひて、出来易き事を勤めず、夫故、 終に大なる事をなす事あたはず、 夫 大は小の積んで大となる事を知らぬ故なり、 譬ば 百万石の米と雖も、粒の大なるにあらず、万町の田を耕すも、其業は一鍬づゝの功にあり、千里の道も一歩づゝ歩みて至る、山を作るも一簣の土よりなる事を明かに弁へて、励精小さなる事を勤めば、 大なる事必なるべし、 小さなる事を忽にする者、大なる事は必出来ぬものなり
諺「千里の道も一歩から」も引用し、コツコツと努力することの大切さを説いています。先の勤勉や勤労もこの積小為大が根底にあると思います。まじめに努力することが美徳であることを、もう一度私たちは見直さなければなりません。
ところで、「百万石の米と雖も、粒の大なるにあらず」という言葉がありました。なるほどその通り、うまく例えていると唸ってしまいました。
ここで「米」を「マイクロアルジェ」に置き換えてみましょう。成長の早いマイクロアルジェの一つに緑藻のクロレラがあります。弊社食品「ZEN(ゼン)」の主原料になっています。クロレラ1個の細胞は約10ミクロン(100分の1ミリ)の大きさしかありません。このクロレラを1週間培養して収穫する段階では、1L(牛乳パック)の中に約5000億個の細胞が泳いでいます。そして、これを収穫して粉末にすると約10グラムのクロレラ乾燥粉末が得られます。まさに積小為大です。
クロレラをはじめとするマイクロアルジェの小さな生命が、私たちや地球の健康を守る大きな仕事をしてくれています。
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