地球温暖化の影響で北極の氷が解けると海面が上昇すると思われますか?
答えは「上昇しない」です。コップに水を入れて氷を浮かべます。氷が解けても、コップから水はこぼれません。専門的には、アルキメデスの原理で説明できます。しかし、実際には、上昇すると思っている方が結構おられるようです。
以前、本稿で養老孟司先生の著書「バカの壁」について書いたとき、地球温暖化について触れたことがありました。一般的には二酸化炭素などの温室ガスの濃度が上昇したことによって気温が上昇したと思われている方々が大半のように思います。しかし、過去の地球を振り返ると、気温が上昇した後に二酸化炭素濃度が上昇するという事実があります。マスメディアでも、このことをあまり報じないため、これを認知している方はあまり多くないように思います。
名古屋大学名誉教授武田邦彦先生の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(洋泉社)を読みました。
本書のサブタイトルは、『錦の御旗と化した「地球にやさしい」環境活動が、往々にして科学的な議論を斥け、人々を欺き、むしろ環境を悪化させている!』とあり、大変興味深く読みました。多分、「目から鱗…」の内容だと思います。
武田先生の著書は、2000年に「リサイクルしてはいけない」(青春出版社、当時は芝浦工業大学教授)を読んでいたので、私自身はすんなりと読めましたが、初めて本書に触れる場合、自分の知っていることと違う事実があることに大きなショックを受けるのではないでしょうか。
例えば、ペットボトルをリサイクルすると、リサイクルしない場合に比べ、石油が7倍必要ということをご存知でしたか?
私たちは知らず知らずのうちに、マスメディアからの情報だけで物事を判断してしまっているような気がします。健康情報でも同じことが言えます。テレビ番組でのデータ捏造事件がありましたが、捏造と分かるまではそれを信用していた方が多かったと思います。もちろん、専門家でなければ分からない部分もあるのでしょうが、情報が氾濫している現在では、情報を受け取る側の私たちが、これらの情報を鵜呑みにせず、何が正しいのか、あるいは何が必要なのか、と情報を咀嚼して篩にかけられるようにしておくことが重要だと思います。
一方、健康情報をご提供する当社は、間違った情報を決して流さないよう、十分注意してゆく所存です。
余談ですが、最近では、スーパーの買い物袋をマイバッグ(エコバッグ)にする運動が進んでいます。もちろん、これは大切なことで、ここから環境への配慮が始まると思います。しかし、マイバッグ持ってペットボトルを何本も購入される方を見かけますが、頭を傾げたくなります。買い物袋よりもペットボトルのほうが大量のプラスチックだと思うのですが…。
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